イチロヲ

ニンフォマニアック Vol.1のイチロヲのレビュー・感想・評価

ニンフォマニアック Vol.1(2013年製作の映画)
3.5
初老紳士に庇護された色情狂の女性(シャルロット・ゲンズブール)が、自身の半生を赤裸々に語っていく。性の求道者となった女性の「ウィタ・セクスアリス」を描いている、エロティック・ドラマ前編。

冒頭部、爆音で流れるラムシュタインの音楽と男の腰振りカウントで、掴みはオッケー。「自由意志に基づいた人生」「心と体が乖離した状態」「他人の性行動ほど、滑稽なものはない」という、日活ロマンポルノと同種の要素によりドラマが構成されている。

本作では、主人公の少女期から青年期までを、モデル出身のフランス人女優が体当たりで熱演。華奢なボディラインと大理石のような美肌が見目麗しく、下腹部に男を蕩かす悪魔を飼っている感覚が伝わってくる。

トリアー監督は精神科医を帯同していたことで有名だが、「セックスに関心があるうちは鬱状態とは言えない」という説に則るならば、本作を以って「トリアーはもうダイジョーブ!」と判断することができるだろう。
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