ガリガリ亭カリカリ

ルパン三世 天使の策略(タクティクス) ~夢のカケラは殺しの香り~のガリガリ亭カリカリのレビュー・感想・評価

4.1
ルパン史上に残る殺しがラストにある作品。「お前を殺しても俺っちのワルサーが汚れるだけだもんなァ」、「甘いよルパン!」、真っ赤な夕陽のコントラストの中で、ルパンが女を殺す。

数あるルパン作品の中でも、ストーリーもアクションもぶっ飛び過ぎていて滅茶苦茶な印象を抱かれがちだが、ロズウェル事件の墜落したUFOのカケラ「オリジナルメタル」というマクガフィン、構成員が全員女性の反米テロ組織「ブラッディエンジェルス」、ルパンメンバーそれぞれに配された敵キャラなど、荒唐無稽に振り切った内容には、"新しいこと"を試みようとする作り手の意志が感じられる。

銭形の相棒でメガネっ子のエミリー・オブライエンさん。
峰不二子の腹をブン殴る、ジークンドーの使い手でヌンチャクを振り回すレディ・ジョー(男装しているので男性が峰不二子の腹をブン殴っているようにしか見えずヤバい)。
妖刀・紅桜を手にし、雪の中で五右衛門と決闘する辻斬りカオル(CV:田中敦子a.k.a.草薙素子)。なぜか彼女の胸の谷間に刀を突き刺す五右衛門。
エアロビみたいな格好をしたブラッディエンジェルスの部下の皆さんたちのバカっぽさ。
「そりゃ大賛成、俺ルパン3世」というギャグ。

そして何より、金髪悪女……になりたいのにルパンの魅力に翻弄されてしまうポイズン・ソフィさん、来世では幸せになってください……
「もっと早く知り合いたかった、別の形で知り合いたかった」泣ける……

子供の頃に観て、全体的にトラウマの一本。