縫い裁つりんこ

誘拐の掟の縫い裁つりんこのレビュー・感想・評価

誘拐の掟(2014年製作の映画)
3.7
リーアム・ニーソン扮するマット・スカダーが原作よりハードボイルドさを押さえられているのに渋い。美少女ルシアも原作以上に美少女してる。この映画が気に入った人は是非ローレンス・ブロックの原作シリーズも読んでほしい。『獣たちの墓』は映画と全然展開が違っててもう一度楽しめるし、すでにリーアム・ニーソンのマット像もできててめちゃくちゃ読むのが捗る。

観る側は最初から犯人がどんな奴かだいたい説明される。何も知らない主人公達が地道な捜査から犯人との直接対決にまで漕ぎ着けてどう決着をつけるのかを外から観ている感じ。原作を読んでる時もすごいなあと思ったんだけど、盛り上がりや派手さはほとんど無いのに気分さえ乗ればいくらでも読ませてくる、こっちの映画なら観させる力があったように感じた。ミステリだけどよくある大どんでん返しみたいなのは無いです。それでも頭からっぽにして楽しめるし、久々にベストセラー系の王道ミステリ小説が読みたくなるような映画でした。『誘拐犯に告ぐ、殺したら、殺す』のキャッチコピーはあまり気にしない方が良い。