kazuuu

ブレイン・ゲームのkazuuuのネタバレレビュー・内容・結末

ブレイン・ゲーム(2014年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

つい最近、医者がALSの患者を安楽死させた事件が話題になった。主治医ではなかった点、SNSでのやり取りのみで引き受け、患者からお金をもらっていた点を考えると、「苦しむ患者を救うため」ではなく、どうも金目的の殺人のように感じる。

では、「苦しむ人を救うため」 の殺人は許されるのか。

本作「ブレインゲーム」は、予知能力を持つ者同士の対決を描いたサスペンスであれども、根底には「安楽死」「尊厳死」といったテーマがある。(と思う)

本作の連続殺人犯は、未来が予知できる。なので、今は健康な人でも、数日後に病気で苦しむ人が分かる。その人が病気で苦しむ前に、自分が手を下す事で彼らを救っている、というのが犯人の言い分だ。

やたらと十字架のイメージが出てくることから、映画の作り手が、犯人の行為とキリストを関係付けている事は明白だろう。
キリストは病を治す事で、一方犯人は命を奪う事で、病に苦しむ人々を救う。

物語の終盤、犯人の犯行を止めようと奮闘した主人公も、実は過去に病に苦しむ娘を、安楽死させていた事実が明かされる。死をもって苦しむ患者を救うことに関し、この肯定も否定もしない終わり方にすることで、作品を観た我々に問いかける。

私は法学部でもないので詳しくは分からないが、日本では安楽死の制度に関して、議論が足りていないような気はする。知識をつけて、私自身も意見を持つようにしたい。
kazuuu

kazuuu