猫田

ゼロの未来の猫田のレビュー・感想・評価

ゼロの未来(2013年製作の映画)
4.5
ラストが最高に泣けた。
近未来に舞台を移した偏屈な引きこもりのおっさんの物語が、こんなに胸に響くとは。
小難しく見えて、実は込められたメッセージは意外とシンプルな気がした。
社会の中で生きてはいるけど、考えたり行動することを選択してくのは結局は自分自身で、考えず行動もしなければそこには何も生まれないということかなと。
どれだけ世界が進化しても、本当に必要なものは機械でも数式でもなく人間同士にしか生み出せないのかもしれない。
人生の意味を教えてくれる電話を待つ主人公は、機械化し便利になってく社会に生きる自分たちの遠くない姿のようにも見える。
テリーギリアムらしく細かいとこまで手が込んでいて、あの世界を見てるだけでも楽しい。公園の禁止看板の多さに、思わず一時停止して見てしまった。
あの感動のラストの後に、しっかり皮肉めいたオチを最後の最後まで用意してあるってのも監督っぽいなぁと思う
猫田

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