猫田

フルメタル・ジャケットの猫田のレビュー・感想・評価

フルメタル・ジャケット(1987年製作の映画)
4.5
人間の壊し方という説明書でも読んでるよう。まず人格を破壊され戦地に送り込まれた兵士たちは、実戦を経てさらに人間性が失われてゆく。それがプラスアルファとなって戦争を成功させる秘訣でもあるかのようにも見えてくるからおぞましい。
Born to killのヘルメットをかぶりながら、胸にピースマークのバッジを付けた主人公はそんな異常な環境にあっても唯一平静を保った人間。そんな彼を追うことで、こっちも冷静に状況を見られてしまうのも地味に怖い。
でも、結局すべてがゼロになってしまったような虚無感みたいなもんが大合唱のミッキーマウスマーチと共にずっと行進しながらつきまとってくるようなラストで、心にでかい風穴を開けられた気分になる。
そんなとんでもねぇ作品だった
猫田

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