2024.10.25 DVDで鑑賞。
不思議な映画。
実際に、十数年間かけて撮影した映画。
説明的なセリフはなく、いっきに時間軸がとんで、だんだんと状況が分かってくる。
ドキュメンタリーを見ているような感覚にさえなる。
今までの映画の常識をぶち壊したと言ったら大げさかもしれないけれど、なにか映画で当たり前だったものを、明らかに壊した作品だと思った。
それぞれの俳優も、もちろん、主役の彼も、自分の本当の人生を十数年生きて、そして大人になっていく様子がフィルムの向こう側に刻まれているんだと思う。それは違う俳優を使ったり、メイクで加齢を表現したりすることとは違う。それぞれの人生の深みみたいなものそのものが画面の向こう側から伝わってくる感じがした。
母親の最後の台詞が印象的だった。
「こんなにあっという間だなんて思ってなかったわよ」。
もしかしたら最初から予定していた台詞ではなくて、監督の、この映画がクランクアップすることに対する気持ちを表した台詞でもあるのかなと思った。
