かなき

6才のボクが、大人になるまで。のかなきのレビュー・感想・評価

3.5
『4人の俳優が12年間家族を演じた。
その歳月から生まれた、感動の物語。』

キャッチコピーにあるように、同じキャストが幼少期も少年期も成人期も全て演じ、12年間にわたる撮影を要した作品。
その前代未聞の撮影方法を聞くだけでワクワクしていたし、その手法が画面上でどう映るのか期待して観にいった。

結論から言えば、物語には特に上がり下がりもなく、本当にリアルな一家族と一人の青年の12年間を観ているような感覚。
映画要素の強いドキュメンタリーのよう。
正直、撮影方法と同じくらい物語性にも感動するものだと思っていたから、少し拍子抜けしてしまった。

けれど、出演者たちが毎年のように数日会って撮影をして、会うたびにお互いの成長や近況を話し合っていた ようなことを言っていたのを聞くと、普通に子役と俳優を使い分けて演じた家族と、実際の年月をかけて演じた家族の違いは、少なくとも演者たちにはあったのだろう。
それを踏まえてのあのラストシーンは、本物の親子のワンシーンのようで、なんとも言えない感動があった。

演者たちのエピソードが、この映画の価値になるような気がしている。
かなき

かなき