後に製作される『パラダイス』三部作と同じ方法論で作られた精神的前編といった感じでしょうか。
『パラダイス』でも描かれていた人間が持つグロテスクさみたいなものはそのままに、消費されていく女性パートと消費する男性パートを交互に描いたことで更に生々しく描けていたような気がします。
正直ザイドル監督は登場人物はもちろん観客までも突き放していく作風だし、宗教的バックグラウンドが分からないとちょっと理解しづらい部分もある気がするのですが、退屈せずに一気に見きれてしまう映画監督としての手腕は流石。
ラストシーンの切れ味も素晴らしい。