海老

パディントンの海老のレビュー・感想・評価

パディントン(2014年製作の映画)
3.7
毎年、この時期に反省することがあります。

「ゴールデンウィーク舐めてた」です。

レジャー施設は混雑が酷かろうなと、いつもガラガラに空いているリス園に行ったんです。ったら50メートル超えの大行列ですよ。こんな場末の小さいリス園に行列って、君たちどこから湧いてきたんだ。
「見ろ!人混みのようだ!!」とムスカのごとく高らかな笑いを響かせる僕に「パパは悪くないよ」と冷静に慰めの言葉をかけてくれる愛娘。
本当にすまないと思う。
パパはゴールデンウィークを舐めていたよ。

そんなわけで、混みすぎてまともにリスと触れ合えなかった鬱憤を晴らすべく、「リスがダメならクマを見よう」という強引な思考展開により、本作パディントンをレンタルすることに。


劇場で2から先に観たときは、想像以上にパディントンが紳士的かつ常識的で、「世間知らずのクマが騒動を起こすだけかと思いきや意外」なんて思っていました。その手の騒動はかなり初代の方でやってたんですね。

パディントンが巻き起こすトラブルは、一部の汚い描写(トイレや耳くそ)が個人的にはあまり好きでないのですが、笑えるし可愛いレベルなので良しとしましょう。ピタゴラスイッチ的なお約束のシーンも程よく。

紳士的で礼儀正しい性格は健在で、優しくて落ち着いた喋り方も、外見とのギャップがやっぱり良いですね。リアルな子供クマの英国紳士は相変わらず可愛すぎる。
ブラウン家との出会いから、絆の深まる描写がとても丁寧で暖かい。ちょっとした家族の隙間をパディントンが繋ぎ合わせていく構図も、王道ながらに心地いい。パディントンの名前の由来や、トレードマークの青いダッフルコートの話も観れてよかった。

そして2の時に思った「案外丁寧に伏線を拾う」点は初代も同様でした。何気ないカットが後々に役立つと妙に嬉しい気持ちになるものですね。

移民問題にダイレクトに結びつくセリフもありますが、僕はシンプルに家族愛を育むストーリーとして見ていました。違いを認め合うと言っても、もともと喋るクマに抵抗のない世界ですし、家族に焦点が当たっているように感じます。

心温まるファミリームービーとして、子供にも大人にも良い作品でした。
リスの鬱憤も晴れた。ありがとうパディントン。
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