亜硝

パディントンの亜硝のネタバレレビュー・内容・結末

パディントン(2014年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

これはめちゃくちゃに出来が良いですね……
まずパディントンのデザインが素晴らしい
赤い帽子に紺色のコート。カラーリングが完璧ですよ

そしてブラウン一家が全員いいキャラして、これがもう絶妙なバランスなんですよね……家がシルバニアファミリーみたいになって登場人物紹介をするあそこ、たまらないです。個々人の趣味やライフスタイルを覗き見する快感とキャラ立てが同時に行われて、まあ良いですね

特に昔はワイルドだったけど子供が出来てから過保護で保守的になったパパが素晴らしいですよ。やっぱり親ってのはどちらかが愛情を伝えるのが下手くそな方がしみじみして良いですよね。あと、見た目の子供むけムービーっぽさに反してジョナサンやジュディじゃなくパパとパディントンの関係に焦点が当たっていったところが意外でした。普段はパッとしないのに最後、家族のために前線で戦うところとかはオトナ帝国のひろしとか彷彿とさせるくらいジーンとしちゃったな

ただちょっとコメディの質にムラがあるのが気になりました
机の上のものをめちゃくちゃにしたり浴槽を破壊したりアンテナをへしおったり気送管を爆破したり、なぜかあんまり罪のないものたちが破壊されるので笑いを取ろうとするのが多すぎて正直そこは見てて不快だったし、パパが女装するところとかコテコテすぎてさすがにあんまり面白くないぞ……という感じでした
ただ、風呂に入ってモコモコになるところとかはかわいいし普通に面白かったです。掃除機で壁登るところとかヒーローの顔がパパで埋まるところとか、この辺りはもう伏線回収として上手で普通に感心しちゃいましたね

それとラストのパディントン奪還のところ、家族各々の得意技を駆使して動くのもう面白すぎて堪んなかったですよ。とくにおばあちゃんが唐突に活躍するの、やりすぎ感はありながらもまあ面白かったです

なんの抵抗もなく喋るクマが受け入れられたり、パディントンが都会の暮らしに割と早く順応する世界観も個人的にはめちゃくちゃ称賛したいところです。なんかそういう部分の受容のシーンがやたらと長い映画って面白い展開を作ることに手を抜いてる感じがして苦手なんですよね……人によってはリアリティが足りないと感じられるかもしれませんが、そのあたりテンポよくやってくれたのはすごく好みです

こういうのをいわゆる街映画っていうんですかね。好きですよ。

2020-270
亜硝

亜硝