なまくらウォッチメン

複製された男のなまくらウォッチメンのレビュー・感想・評価

複製された男(2013年製作の映画)
4.1
再鑑賞

容貌から声、生まれまで全く同じ存在に出会ってしまった2人の男を軸とした難解ミステリー

一見難解に見える今作。大学での講義の内容、劇中登場する蜘蛛が何を象徴しているかを紐解くと案外普遍的な、「恋愛と抑圧」というテーマがあることが分かります
不倫は良くない❗️

まず邦題の「複製」というワードがミスリードで、原題の『Enemy』と原作小説のタイトルの『Double』を念頭に入れると結構すんなりと劇中の描写が理解できます

そして言うまでもなくジェイクの素晴らしい演技力が無いと成立しない❗️
ちょっとした所作や声色だけで演じ分ける技量には感嘆するしかないです

個人的な見解としては…第3者が2人と同時に遭遇していない以上どうとでも解釈できると思います
ドッペルゲンガー説、二重人格説…それこそ妄想・願望説なんかも
この”曖昧な描写”がより難解さに拍車をかけているように感じました
いずれにせよ、基本的にはどの解釈でも伝えたいメッセージは変わらないと思います

しょうもない男の葛藤を描いた地味なストーリーを壮大なミステリーに見せかけるんですから作り手の技量がすごいです