theocats

柘榴坂の仇討のtheocatsのレビュー・感想・評価

柘榴坂の仇討(2014年製作の映画)
4.3
これは設定勝ち。
井伊直弼暗殺事件後、守護役の彦根藩侍が敵役を13年追い詰め続けたという話。

その間に元号は明治に変わり、もはやちょんまげ袴の侍は時代遅れの何物でもない。しかし、主君の命を奪った水戸藩侍の首を討たねば気が済まない(というか切腹も許されず、かたき討ちが厳命)呆れるような復讐劇ではあるけれど、こんな設定のドラマは見たことがなかったので知的好奇心はマックス。もちろん史実か虚構かはさておき。苦笑

W不倫で今話題の広末涼子も意外に悪くなく、中井貴一の渾身の演技は申し分なく、活舌の悪さが気になる阿部寛もなかなかの敵役。

愚かな大老と見られがちな井伊直弼が実は人格者であったという印象付けも、そうであったかもしれないという再考の機会を得られたという点において画期的だったと思う。
片一方の見方だけでは不公平だからね。

自信の興味の方向に一致していたというのが大きいが、この映画の全てに「うーむ・・・・・」と大いに唸らされ考えさせられてしまった。
素直に感謝を表したい。

この後に史実性を確かめてみるが、完全なフィクションでもそれでいいわという感じかな。笑
theocats

theocats