櫻イミト

銀輪の櫻イミトのレビュー・感想・評価

銀輪(1959年製作の映画)
4.0
実験映画の第一人者、松本俊夫監督の初演出作。武満徹の初映画音楽(黛敏郎と共作)。特撮は円谷英二。1956年イーストマンカラー。半世紀以上ロストフィルムだったが2005年に発見された。

自転車の絵本を見ている少年が幻想の世界に浸っていく。実験的手法を用いた短編。日本自転車工業会のPR映画で、東大を卒業し新理研映画に就職した松本俊夫監督が24歳時に演出した。

高度経済成長初頭の未来への夢が伝わってきた。映像も音楽も1970年大阪万博プロモーションのひな型のように感じられ、個人的には最高に好み。実際、本作を手掛けた若いクリエイターたちが60年代文化の最先端を担っていた。1954年の「ゴジラ」と共に日本サブカルチャーのマイルストーンとなる一本。
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