Ruka

マダム・イン・ニューヨークのRukaのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

最初に観たのはもう数年前だったか、、改めて観たくなりHuluで。

冗談なのか本気なのか、料理の才能はとても素晴らしく、客観的に見る限り家庭での母親としての振る舞いは大いにリスペクトできるのに。。
彼女の得意な料理を褒める一方で貶す言い回しにも使う。初めての経験、緊張するであろう場を無事に終わらせホッとしている母親に対し、平気で傷つけるような言葉を使う娘。事あるごとに母親をからかい、母親の心情を慮ろうとしない家族のシャシに対しての振る舞いはとても観ていて気持ちの良いモノではなかった。
対照的に、姉の家族はとても感じが良く親切な印象。特にラーダのシャシに寄り添う姿には好感を持てた。
ただ、それとは別に一緒の空間に居て、目の前で自分は全く分からない言葉を使い盛り上がる、仲の良い人を見て感じる疎外感は如何ほどだっただろう。知らない土地で、不慣れな英語を使ったカフェでの出来事はどれほど怖いモノだったか。とても胸が痛んだ。私も10年以上教育を受けたものの全く英語が得意では無いから、シャシの気持ちはよく理解できた。

私であったらどこかで挫けて逃げ出してしまいうそうな展開の連続だったが、彼女はとても強い人だった。
「自分を助けられるのは自分だけ」本当にその言葉通り、その状況を打破する為の行動力が凄い。また、言語を学び、知らなかった世界を知っていく過程が丁寧に描写されていて、それと同時に今まで失っていった自尊心を取り戻していく様は見ていてとてもかっこよく、美しかった。

「何事も"初めて"は1度だけ。その1度は特別な体験。楽しんで。」
今までの人生で一体どれほど初めての体験を心の底から悔いなく楽しめただろうか。。
今まさに悩んでいる事があったが、久々に鑑賞して勇気づけられた。また一歩、後悔しない選択をしていきたい。

…とツラツラ私がこの映画で特に印象に残った点を書き綴ったが、この映画ではジェンダー、人種、風習や偏見、価値観について言及される場面もあり、それらはストーリーに上手く融合されている。決して押し付けではなく他者理解を促すような形で描写されている点はとても良かった。
正直、たったの4Wであそこまで聴き取れて話せるようになるかは、個人差があると思うけど…!笑
Ruka

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