インド映画にしては尺が短くてすんなり観れました。
それでもちゃんと真ん中あたりでインターバル(休憩)まで入る親切設計。
どうせ今の日本の劇場じゃあ“休憩”と出ても無視されますけど。
そういえばアメリカでスコセッシの『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』上映の際、いくつかの劇場が勝手に休憩時間を設けた事が問題になっていますが、私はむしろ休憩を設けた劇場側に拍手。
高齢化が加速する中、休憩のない長尺映画は動員数がどんどん減ると思うんですが。
話がそれましたが、本作は長年クリップしたままでU-NEXT配信終了を知り、またもや駆け込み鑑賞。
あまりすすんで観るタイプの映画じゃないのに、なんでクリップしてたかと言うと、もうとにかく主演女優が好みの美人。
私としてはこの場合ジャンルは関係ナシ(しかも当時48歳というから驚き)。
主役のシャシを演じたシュリデヴィをさらに調べると、4歳で映画デビューした後300本以上の映画に出演、インドでは女性初の国民的スーパースターなんだとか。
1996年に33歳で結婚して休業していましたが本作で15年ぶりに復帰、インド最大の女性スターの凱旋と話題になったんだそうです。
しかし本作の6年後にホテルの一室で倒れて急逝。なんともったいない・・・
本作は長年インドで暮らし英語が話せず夫や子供からもバカにされる古風な良妻賢母の主人公が、ニューヨークに姪の結婚式の手伝いに呼ばれたのをキッカケに英語を学び、次第に自信と家族との絆をとりもどす物語。
思っていたよりポップでコミカル、どうせ見え透いた予定調和の展開だろうと舐めてかかったら、シャシが大きな目で泣くたびもらい泣き。
監督のガウリ・シンデはやはり女性で本作が長編デビュー作。
今から10年以上前の作品ですが、既にジェンダーやポリコレの問題提起がされており、若い人には理解不能だとしても、昭和世代の男女には刺さるんじゃないでしょうか。
最後のスピーチをただの理想論にしないためにも多くの人の理解と努力が必要だと思わされます。
ところで主人公の姪ラーダ(プリヤ・アーナンド)はちょっと昔のフィービー・ケイツ似。