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マダム・イン・ニューヨークのjunのレビュー・感想・評価

4.3
ずっと観たいと思っていたのですが配信が見当たらなくてようやくアマプラにきたのでさっそく視聴✨
なんてハッピーが散りばめられた映画でしょう🎵差し込まれる音楽もユニークで一緒に小躍りしそうになりました💃笑
とにかく元気をくれたり心に染みる言葉がたくさん。インドの色彩豊かなサリーの登場も本作の見どころ🥻✨

130分弱というインド映画の割には短いところも観やすくて🙆‍♀️✨

“一歩踏み出す勇気”の大切さを教えてくれるそんな映画です。



シャシは夫と姑と長女と幼い息子と一緒に暮らすごく普通の主婦。料理が得意で特にインドのお菓子“ラドゥ”が上手でご近所から買いたいと注文が入るほど人気だった。
そんな日々に平凡だけどやりがいを感じ彼女なりに誇りを持っていた。
ですが彼女には家族といる時に時々強く劣等感を覚える瞬間がありました。それは夫や娘から英語が話せないことをバカにされる時でした。夫と娘は英語が話せるので常日頃から何かにつけて下に見られたり笑われることが多かったのです。

そんなある日、シャシは姪の結婚式の手伝いで5週間ニューヨークへ行くことになります。しかもよりによって1人で。。。
飛行機では客室乗務員の言葉が分からずアタフタ、お水一杯もらうのもやっとこさ。現地のカフェに立ち寄れば英語ができないせいで店員から横柄な態度をとられます。打ちひしがれるシャシでしたが街中である広告を目にする。

『4週間で英語が話せるようになる英会話教室』

そんな魔法のような言葉に惹かれシャシは一念発起しその英会話教室へ足を踏み入れますがーー



《以下ネタバレあり》









この旅で最初に出会った飛行機で隣に乗り合わせた紳士の言葉がとても素敵だった。

《何事も初めては一回だけ。その一回を楽しんで✨》
《迷わず、自信を持って、決然と!》

この言葉がこれから未知の世界に飛び込むシャシの背中を押したことは間違いありませんでした。

しかし最初に立ち寄ったカフェの👚店員の態度は英語が話せる話せないに関係なく問題外だったような…。いきなりあんな四面楚歌みたいな状況、、私だったら速攻NYへ来たことを後悔するだろうな。
『ラテ』の言い方が腹立つのよ💧笑

英会話教室で出会う多国籍な仲間たちやゲイの先生との絆がよかったなぁ。みんなそこに来た理由はさまざまですが《英語が話せるようになりたい》という思いは同じ。
励まし合い笑い合い、時に支え合い…
生まれた国も歳も性別もバラバラだけどこんなにも仲良くなれる。これもシャシが一歩踏み出したことで手に入れたものでした。

ホテルでシェフをしているクラスメートの男性が“料理はアートだ”と話した時、

《男性は料理をしたらアート》
《女性はただの義務》
というシャシのセリフからわかるようにシャシは常日頃から自分を自分で卑下しているようでした。

それまでただの主婦業の傍にこなしていたラドゥ作り。それを『じゃあ君は“アントゥレプレナー”(起業家)だ‼︎』という言葉を先生からもらった時のシャシの顔が忘れられない。

自分がやっていることを夫からはいつも小さなことのようにバカにされていたからこそ全てを肯定してくれるようなその言葉に胸が躍るほど嬉しくなったのは当然です。

フランス人の男性から思いもよらない恋心を向けられたシャシでしたが、彼女が言ったセリフ

《恋はいらないの、欲しいのは尊重されることよ》

英語を習い始めた時から1番の目的はこれでした。夫は悪気はないのかもしれませんが何かにつけて妻を見下していました。『妻はラドゥを作るために生まれて来た』なんてかなりのKY発言も…
娘は娘で英語で恋バナをしている所に通りかかった母を見て『どうせ聞いても分からないから大丈夫』と随分な態度。

シャシは家族とただ対等でいたいだけでした。

《勉強は教えられる、思いやりはどうやったら教えられる?》

というセリフには母としてのシャシの苦悩が滲み出ていました。

最後の結婚式のスピーチは素晴らしかったです。隣の夫と娘の豆鉄砲を食らったような顔が忘れられません🤭
娘は母の不慣れでも一生懸命に話す英語のスピーチを聞いて涙を流していました。自分がしてきたことがどれだけ母を傷付けていたかを悟ったことでしょう。


何事も始めなければ変わることはない。幾つになっても始めるのに遅いことなんてない。
自分の人生の舵を切れるのは自分だけ…

この映画を観て忘れかけていた大事なことを思い出した気がしました😌



最後になりますが主演を務めたシュリデヴィさんが2018年にお亡くなりになっていたことを知り大変ショックを受けました。
映画と同じように甥の結婚式に出席するためUAEを訪れていた際の出来事だったようで…
吸い込まれるような大きな綺麗な瞳が印象的な女優さん。
とても残念に思います。
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