おたしん

HUNGER ハンガーのおたしんのレビュー・感想・評価

HUNGER ハンガー(2008年製作の映画)
3.7
まだまだ歴史に疎かった。
領土問題による収監状態が世界の様々なところで行われていた。
ナチスを代表とする有名なものは知ってるけど他にもたくさんあるんだな…。
イギリスとアイルランドの歴史なんて未知でした。

IRAの意志は強かった。
一致団結し何が何でも抵抗をやめない。
糞尿を使ったものはインパクト強かった。
4年間もの期間あの生活なんて考え難い。
あんなにも曲がらない精神力は何なんだ。
神父も言ってたけどモチベーションや目的は何なのか。
100%理解することはできないだろう。
彼らの多くに家族そして子供すらいるというのに…。

反抗的でテロリストともとれる彼らに対して看守たちは何を思っていたか。
いくら何でもやりすぎだ。とはならないのか。
散髪と入浴のシーンはエグかった。
人として見てはないんだろうな。
暴力には暴力を。
そして非暴力には無視を。
ハンストで訴えても何も起こらず。
人として見てないどころ何も思うことがないんだろうね。
罰を与えるときに1人何もできずに泣いていた彼をじっと見つめてしまった。

監獄での惨劇はもちろんすごかったけど、
ボビーと神父の口論も印象的だった。
同じような環境と状況にいるが違う生き方をする者たち。
両者の意見は分かるけど当事者でないから適当なこと言えないな。
抗議のためのストライキと死のためのストライキか。
何をしても変わらない現状ほどつらいことはない。
ボビーはあの場で全てを語り確認し行動を決めたのだろう。

ハンストを始めてから少しは周りが動いたもののボビー自体はやはり想像通りの結末に。
その後の歴史的結果にボビーは満足できただろうか。
自分がした行動に後悔を感じなかっただろうか。
個人的にはイギリスの決定に100%満足いったわけではないけどとりあえずボビーに知らせてあげたいね。

そしてこの作品は何といってもマイケルファスベンダーが本当にすごい。
演技はもちろんだけど身体の作り方も衰弱具合もプロだった。
神父との会話劇の中でワンカットっぽいシーンかなと思うところかあったけどそこも圧巻。
『シェイム』でも裸体で演じていたけどこれは全くの別物。
あんなにカッコいいマイケルの全裸がこれほどエロく見えないなんてすげえなあ。
改めて大好きな俳優だと思いました。
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