MasaichiYaguchi

I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIEのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

3.6
TOHOシネマズ六本木ヒルズで開催された舞台挨拶付き試写会で鑑賞。
本作の吹き替えで出演して舞台挨拶に登壇した鈴木福くん、芦田愛菜ちゃん、小林星蘭ちゃん、谷花音ちゃんの可愛さそのままに「ピーナッツ」の初の3DCGアニメーションが展開されていて楽しかった。
本作では「小さな恋のメロディ」ではないが、コミカルだけど切ない恋が瑞々しく描かれていく。
恋するのは、本作の2大キャラクター、チャーリー・ブラウンとスヌーピー。
この固い絆で結ばれた仲の良いコンビはとても対照的。
何をやっても悪い方へ、酷い結果になってしまうダメダメのチャーリー・ブラウンに対し、シニカルだけど、なんでも器用にこなしてしまうスヌーピー。
チャーリーは恋する相手の為、今までのダメな自分から脱却しようとし、スヌーピーはウッドストックの助けを借りながら強敵から恋する人を守ろうと夫々奮闘していく。
これらの展開が、2次元の原作世界観を損なうことなく、3D映像で広がりや奥行を感じさせる舞台で賑やかに繰り広げられていく。
スティーブ・マーティノ監督は舞台挨拶でチャーリー・ブラウンの3D化に1年を要したと話していたが、原作やテレビアニメ版の古くからのファンが違和感を覚えることのないように、主人公をはじめとした主要キャラクターたちを丁寧に造形していると思う。
これらのキャラクターたちが「小さな恋のものがたり」を通して伝えてくるのは「諦めない心」。
諦めず、辛抱強く努力を重ねていけば、いつか花開く。
上映終了後に劇場を出る時、おじいさんに連れられた小さな子供たちが「面白かったね!」と発した言葉が心に温かく響いた。