似太郎

ゲッタウェイの似太郎のレビュー・感想・評価

ゲッタウェイ(1972年製作の映画)
4.5
巨匠サム・ペキンパーらしく男女の固い絆や些かセンチメンタルな趣向の強い銀行強盗映画。どこまでも逃げて逃げて逃げまくるマックィーン兄貴は漢の鑑と言える。

『大脱走』といい『パピヨン』といい自由を求めて疾走するスティーヴ・マックィーンはまさに適役だったと言える。アクション大魔王、ウォルター・ヒルの書いたシナリオはどこか大人のためのほろ苦いファンタジーのような作劇になっている。

如何にもアメリカン・ニューシネマ!といった地方の寂れた風景や路地など画面から漂う貧乏臭さが凄くあり、ただのアクション映画に留まらせておくには勿体ない作品である。これも一つの男女の逃避行映画なのかな?

『ワイルドバンチ』では黒澤明のあからさまな模倣が少し気になったが、本作にはそれが無く一安心。恋人役のアリ・マッグローはやはりお綺麗です!!暴力教祖サム・ペキンパーの西部魂が炸裂した一編。
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