はさみのり

消えた画 クメール・ルージュの真実のはさみのりのレビュー・感想・評価

3.5
カンボジアの悲しく辛い歴史。
ポルポトによる大虐殺が始まるその前からの、監督自身が体験したドキュメンタリー。

話は手作りの土人形をジオラマにして表現。後は記録として残されたフイルムと写真を並行させながら、淡々と語られていく。
役者が演技で表現する事は無い。

クメール圧政が始まるまでは、自由でごく自然な日常生活。土人形もカラフルで表情豊かだが、圧政が始まってからは真っ黒になる。
全くの人権剥奪、着てた服も黒く染めて着用。家族や個人の所持品は全部捨てさせられ、持ち物はスプーン1つだけだったとか😓

順番に家族が亡くなり、1人残された監督はこの事実を伝えたいと思い続けての本作😭 血がにじんでるであろう土人形に込められた思い。どれだけの年月と魂をかけて命が吹き込まれているのか。

歴史的にまだ浅いこの圧政の事実も、関係諸外国がまだまだ口を閉ざしている部分が多く、教育的にも情報は薄いとの事。
、、、何とも言葉にならない、、、

黒い土人形達はどれも表情無く観てても只々怖い。この監督と同じ世代に生きている自分は平和な日本で生まれ育った事が、本当に幸せな事なんだと改めて感謝する。
はさみのり

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