shiori

イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密のshioriのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

天才数学者という個人的には最高に惹かれるキーワード。そして、実在する人物だというのだから、もうたまらない。

ただ、鑑賞後はこれが実話だという事が苦しくて切なくてやるせなかった。
史上最強レベルの暗号を解読するための苦悩を凌ぐ、その後の人生の苦悩。

解読のための苦悩は、主人公に喜びと発見と未来を与えるもののように感じた。難解な解読に挑む主人公の生き生きとした様子と自分の頭脳を信じて疑わぬ姿、不器用な優しさと言葉。主人公の努力と溢れ出す人間味と時間とともに築かれていく仲間との絆。
しかし、その後の苦悩は彼から全てを剥ぎ取った。多くの人に希望が溢れる明るい未来をもたらした彼にあるのは、未来への閉塞感。
あまりにも、やるせない。

解読装置に“クリストファー”と名付け、取り上げられたくないと涙を見せる姿は、子どもを想う親のような愛に溢れていた。そして、愛する人と重ねた切ない愛情。
同性愛者だからと差別された時代。人間を愛することの何が罪なのだろう。

彼はこの時代に生まれるべき頭脳を持つ人物であったが、彼にとってこの時代に生まれた事は果たして幸せだったのだろうか。

鑑賞後は何とも言えない気持ちになったけれど、思い出すのは幸せそうだった瞬間ばかりで、微笑ましくも切ない。
彼の功績が後世に伝えられていく未来を紡いでいくことを願う。