へちまびと

イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密のへちまびとのレビュー・感想・評価

3.6
第二次世界大戦中、ナチスドイツの使ったエニグマ暗号。これを破るマシーン「ボンベ」の基礎理論を作ったアラン・チューリングの物語。

エニグマの暗号キーは毎日決まった時刻にリセットされる。そのため、解読には時間的制約があった。
計算機のない時代、時間内での暗号解読は困難を極めた。
これを機械で行う「ボンベ」の開発に成功したことで、英国はドイツとの情報戦で優位に立った……という歴史的事実があるが、この偉業の軌跡を追いながら話が進んで行く。

これだけの偉業を達成したにも関わらず、アラン・チューリングはのちに同性愛者だという理由で逮捕され、警察の監視下に置かれホルモン剤の投与を受けるという屈辱的な晩年を送ることになる。

ボンベの理論は黎明期の計算機科学に大きな貢献をしたと言われている。
2009年、英国政府は公式にアラン・チューリング博士への上記措置について謝罪し、名誉回復を行った。

さてこの作品についてだが(遅い)、わかりやすく脚色を入れたりしているので何の知識がなくても楽しめる。
史実からハッピーエンドじゃなさそうだなぁと予測がついてしまうが、イヤな終わり方ではない。