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イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密のyutaのレビュー・感想・評価

4.0
誰も成し得なかった難攻不落の暗号機”エニグマ”の解読に挑んだ数学者アラン・チューリングの物語。時間軸が3パターンくらい交錯するんだけど、刑事に追い詰められ秘密を告白する現在と、軍に雇われてから暗号解読までの過去の話(こっちが映画の主軸)、さらに過去の少年時代という3つで構成されていて、でもまあしっかり観ていればまず分からなくなるという事はないと思う。戦争に対する知識もそれほど無くても、アラン・チューリングという人物がどういう人間でどういう運命を辿るのか、という部分がメインの、見応えのあるヒューマンドラマなので難しそうと尻込みせず観て欲しい。とにかくこのアラン役のベネディクト・カンバーバッチがめちゃくちゃ良くて、ドラマシリーズの『シャーロック』を観てから完全に彼のファン。”変人で天才”の役をやらせたらこれ以上ないくらいしっくり来る。機械的であり時として非情に見えるアランも、実は少年時代のトラウマや経験が根強く行動や思考の基盤になっていて、それが呼び起こされる時にみせる弱みや人間的な表情がすごく愛おしかったりする。そういう表情の変化をベネディクト・カンバーバッチが巧みに演じていて、感動したし、最後にはほぉ〜と満足感とその余韻に浸れる。まだ未見の『Dr.ストレンジ』ではどんな演技をしているのかも気になるところ。
単純にこういう”天才”が出てくる映画は好きだなあやっぱり。
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