ルマンド

バンクーバーの朝日のルマンドのレビュー・感想・評価

バンクーバーの朝日(2014年製作の映画)
4.0
すっごく前だけど昔、観て。すごくよかった余韻があった。
派手ではないけど、坦々と胸に熱いものが伝わってくる。静かに、でも一生懸命考えて、貧しさ、差別から耐えて。俳優陣の演技は光る、絶妙な間が好きだ。レイジ(妻夫木聡)の優しさが浸みる。

そして、日本人は謙虚で。「あれしかできない、ごめん」「なんだか俺たちすごいことしてるんじゃないか」

でも厄介な自意識のせいで、貧しいのに自分を大きく見せようと、カナダで大成功を収めているかのように見せ、家族に苦労をかけさせたり、謙虚や自己肯定感の低さ、差別との同居している中で、若者は暇人と思われても野球に情熱を燃やす。働きづめで、「意味あんのか」という言葉は重い。

いろいろあるけど、スポーツを通して、どこの国籍とか関係なく、人間としての付き合いができる。スポーツマンシップとか、ちゃんと「謝る」すっごく大事だ!

ケンカしたりいろいろあるけど、家族や仲間のいろんな優しさで朝日のメンバーは頑張れている、感謝できる。そして彼らの頑張りや勝利が街の人たちの頑張りや気持ちを支えている。なんて素敵な人たちだろう。国籍も関係なく認められるカナダ人もいい。野球にカナダ人も日本人もない。

なのに戦争が日本人たちを阻む。本当に辛い時代。

新天地を求めてバンクーバーへと向かった人たちがいたんだという史実を知れたのは良かった。
バンクーバーの日本人街、日本と欧米の融合ですごく素敵な街。素敵なセットで観ているだけで癒される風景。時折流れるジャズも好き。

野球も人生も9回2死でもあきらめない!

家族、友情、仲間、本当に大好きな映画。また野球しような。夢を諦めない、でも夢を邪魔する戦争は、憎い。
ルマンド

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