秀ポン

トレジャー・バディーズ/小さな5匹の大冒険の秀ポンのレビュー・感想・評価

3.1
これまでも話はあってないようなものだったけど、遂に話が破綻して成り立たなくなっていてクソ笑った。(僕がちゃんと把握できていないだけの可能性も多分にある。というかそうであってほしい。)

最初から最後まで、悪役がどうやって「猫による支配」をしようとしているのか、主人公達は何をどうすればそれを止めたことになるのかという勝利条件が提示されずに話が進んでいく。
最後の最後に勝ち誇ったように猫による支配を宣言した悪役猫は、主人公達が何かをするまでも無く勝手に石になってしまって、どうやら猫による支配は訪れてないっぽい。

誰か教えてほしい。これはどういう話だったんだ?

他にも気になった所が色々あったのでいくつか挙げていく。

・前作では5匹の犬とその飼い主である5人の子供達が出てきていたけど、今回登場する子供はマッドパッドの飼い主の1人だけに絞られている。
前作では明らかに5人の子供達を持て余していたのでこの方針には納得なんだけど、しかし最初からいなかったみたいに他の4人の子供達の存在が完全に抹消されていたのは面白かった。

・前作同様、犬と人間が両面からひとつの事態を追うって話になってるんだけど、犬側と人間側の話がリンクしたり、互いに影響を及ぼし合ったりしてないのが気になった。
まあ別にそれでも良いんだけど、だとしても最後に両者が再会するときには1番のカタルシスがあるべきで、それをなあなあで済ませちゃってんのが最高にバディーズって感じだった。

・今回の話は猿が甥っ子の猿に昔話を語るって形をとった回顧録的な作りなんだけど、そういう作りにする必然性は皆無だった。
流れをぶった斬って現代のタイムラインでの猿の語りのシーンが挟み込まれるのが、猿のジャージャービンクスみたいな喋り方も相まってかなりイラついた。

・あとはカットの繋ぎがところどころ破綻していた。
特に終盤のクライマックスシーンでは、さっきまで部屋にいた悪役が次のカットでは消えてたりしていて話が余計飲み込みづらくなってた。

露骨ににインディジョーンズっぽい雰囲気でワクワクしていたのに、あんまりな終わり方だった。
しかし、主人公達が放っておいても結局悪役は自滅していたはず、というのは実は失われたアークにも言える話で、そういう意味で本作は本家の忠実な再現と言えなくもない。(当然これは戯言である)

バディーズ以外でこんなのを見せられたら激怒だけど、バディーズには他の映画とは違う方向での面白さを期待していたので、それに関しては満足できた。
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