スリザリン寮生

それでも恋するバルセロナのスリザリン寮生のレビュー・感想・評価

それでも恋するバルセロナ(2008年製作の映画)
4.5
敬愛するウディアレン監督作品。

みんなそれぞれのやり方で、それなりに生きて行く。

映画というインスピレーションから自分なりの思考をしたい方向け。
幸せになるための答えとか、恋の手解き的なことを教えてくれる映画ではないので、何かしら結論や納得いく答えを求める方にはオススメできません。

自由で大胆で、恋に対しても常識的な考えの通用しないクリスティーナ。自由でセクシー、だけど女がいないと生きていけない芸術家のアントニオ。激情的で天才肌なアントニオの元妻・マリア。
イケメンじゃないしこれといった特徴は無いけれど大企業勤めで安定した彼と結婚し世間体としては文句無しのヴィッキー。

この四人を中心に予想のできない恋が展開していきます。

世間一般的に見るとヴィッキーのような人生がハッピーエンドだと言う人が多数でしょう。でも本当にそうだろうか?と思わせてくれる展開の数々。そもそも幸せって何だろう?少なくともヴィッキーは、セクシーなダメ男アントニオに心が揺れ、自分を見失っていきます。共感できる女性の方、実は多いんじゃないかななんて思ったり。
クリスティーナとマリアのような、自由奔放で大胆な生き方も素敵だなぁと思います。

最初は登場人物たちのぶっとんだセリフに驚いていましたが、そのうち私たちは、恋愛のあり方とか、幸せとは何かとか、定義できないことに対して勝手にいわゆる'常識'を作り上げてしまっている事に気付かされました。
この映画の中で起こる出来事は、凝り固まった思考回路を少し柔軟にするだけで、私たちの周りでも十分に起こりうる。
恋愛に常識なんてものは無いんだなあと思わされました。

それにしてもペネロペ・クルスの美しさには胸を打たれました。裸足で石畳を走るような激情キャラが似合いすぎて、それはもうため息ものでした。ペネロペファンの皆様、是非ご鑑賞を。
スカーレットの大胆で大らかな性格は是非見習いたいです。