のうこ

誰よりも狙われた男ののうこのネタバレレビュー・内容・結末

誰よりも狙われた男(2014年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

哀愁がやばい。『ラストターゲット』ほどヒリヒリする緊張感があるわけではないですが、それは追う側と追われる側で異なるからというだけで、それはとくに問題ではないような気がする。フィリップシーモアホフマンの出す哀愁さがすごい。あんまり意味のないようなカットで、落ち葉が落ちた公園でタバコを吸って佇んでいるシーン、他にもそんなシーンがありますがそういうシーンをみるだけで、どことな寂しげな様子が描かれていて悲しくなってくる。こいうのを見るだけでもギュンターの落ちぶれた様子が見れる。最後のギュンターの去っていくところでもう泣いてしまう。世界を平和にするという共通の目的はもつがそのやり方がちがう。CIAの女を友達のように付き合い、邪魔されないように利用する。ギュンターは情報収集のためなら情報収集人も友人にも恋人にでもなんでもなるという。最後は逆に友達ぶってたCIAの女に裏切られる。そこからの「Fuck!!」。そして、相方の女や弁護士から投げかけられる冷たい目。それで車で立ち去って、歩いていく。ニューシネマのように寂しげで哀愁がただよい、落ちぶれた主人公が描かれている。原作の主人公像にぴったりということらしいが、フィリップシーモアホフマンがとてもよかった。あんまり思い入れのない俳優ですが、よかったです。フィリップシーモアホフマン大好きという人ならどハマりするんじゃないでしょうか。
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