あずま

怪しい彼女のあずまのレビュー・感想・評価

怪しい彼女(2014年製作の映画)
2.4
この手のストーリーは大好きなのに、全く響かなかった。

なんというか、全体的にダサい。ダサすぎる。主人公がおばあちゃんから20才代になったっていう設定だから選ぶ服がちょっとオバさん目線になるみたいなのは100歩譲って分かってもダサい。スタイリングがとにかくダサすぎる。ワンピースの生地の柄とか素材が絶妙にダサい。
黒髪のヘアスタイルが全然似合ってないし、パステルピンクのリップも女優に全然似合ってない。中身はおばさんが選んでるからなのか。
せめてテレビ番組で歌ってる時のスタイリングはもうちょっと良くして欲しかった。アイラインの青黒い感じとか、スーパーの片隅に売ってあるどこのブランドかもよく分からない使い勝手も悪すぎるペンシルアイライナーを思い出して辛くなった。
レトロ感を出すならそれはそれでもうちょいファッショナブルにできなかったのだろうか。

女優さんの素材はいいのに、かわいいと一瞬たりとも思えなかった。振り向いてドキッとさせるシーンとか無駄にキラキラ感を演出で出してもなんかもうとにかくダサすぎて見るに耐えない。ほんとイモトにしか見えない。

そして、せっかく若返ったのにおばちゃんの口が本当に悪い。個人的にこういうタイプの女性がかなり苦手だからとにかく好きになれなかった。身振り手振りも下品だし口角が常に下がっているのも気になった。ただ若いというだけで全然美人にも魅力的にも思えなかったし、年齢とか関係なくボディランゲージとか所作の美しい人が素敵な人なんだなと再確認した。

女優さんは、おばあちゃんっぽい演技をしてるという点ではその演技力はとても評価できる。ただおばあちゃんがどんなに苦労してきたかを理解しようとしてもどうしてもあの性格は耐えがたい。

特に他人の母乳について口出しするシーン。あのシーンで完全に主役を嫌いになってしまい以降は作品をきちんと観る事ができなかった。明らかに思いやりに欠けているし、意図的に他者を傷つけようっていう気持ちで生きてきた人じゃないとあんな皮肉めいたこと言えないだろう。

もともといいところのお嬢さんで、その時の笑顔はとっても素敵だったのに、苦労を重ね、おばさんになってからは女性として扱われることもへり、ああいう性格になってしまったのかと思うとさらに辛さが追い討ちをかけてくる。

おばあちゃんの家族を大事にする最後のシーンは感動してもらい泣きしてしまったけど、それでも日頃の口うるささを思い出すとやっぱり普通に好きになれない。女性は若さが命で結婚によって全てが変わってしまうという点において特段メッセージ性もなければ大した救いもない。

‪それどころか、子どものために苦労してきたのを美談にして今現在の自身の醜態や性格の悪さに目も向けず、お前を育てるために人生を犠牲にしてきたんだ、苦労をしすぎて性格が歪んだんだってアピールしてくる自分の親を思い出して辛くなってしまった。‬


これだったらマダムインニューヨークやカンナさん大成功です!のほうが私は好きです
あずま

あずま