ミルコ

きっと、星のせいじゃない。のミルコのレビュー・感想・評価

4.0
凄くよかった〜!
原作がベストセラーということでどっちに転ぶかと思ったけど、本当に素敵なお話です。

不治の病に侵されたヘイゼル・グレース。
親に無理やり行かされがん患者の会で骨肉腫で足を失ったガスに出会う。

ガスの笑顔と言ったら!
可愛い〜、あれ、どこかで...。
ウェストサイドストーリーのトニーやん!

お互い好きな本を教え合ったり、ティーンエイジャーらしく2人の時間を育んでいく。

ヘイゼルがお気に入りの本には結末がない。
それを知りたがるヘイゼルにガスが企画したのは作家が住むアムステルダムへの旅。
ある支援する団体が難病患者を招待するというアメリカらしいものである。

大方の予想に反し作家はクソ野郎であった。
この役を演じるのがウィリアム・デフォー、まあ上手いよね。

彼の秘書がお詫びにと連れて行ってくれたのがアンネの家。
ここ急な階段ばかりでヘイゼルには絶対無理と思われたけど酸素ボンベを携え登りきるヘイゼル。
(見ているのが辛かった…)

最上階で気持ちの高まったヘイゼルはガスにキスし、二人は一夜を共に。
ついに恋人同士になった二人だったけど、ヘイゼルはガスからガンが体中に転移してしまったことを告げられる。
まさか、ガスの方がー!!

出会った時から長くは一緒にいられないという運命の二人は見ていて痛々しいけれど
とても若々しく、力強く、普通でいることの素晴らしさを感じる。
出会いを恐れていたヘイゼルがガスに出会って成長し、
愛の尊さを知ることは余命が短い中かけがえのない時間であった。

ヘイゼルがお母さんに対して、自分が亡くなったあとのことを慮る気持ちもぐっとくる。
そして人間は苦しみを抱えながらも生き抜いていきもの、と聞いて心底嬉しそうな顔をした。

母親を演じるローラ・ダーンもとても素敵。
Wild at heart の頃から基本変わっていないし、なんなら今の彼女の方が輝いている。

ティーンの映画では片づけられない、深いテーマにぐっときた一本でした。

ミルコ

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