ミルコ

イニシェリン島の精霊のミルコのレビュー・感想・評価

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)
3.9
アカデミー賞をはじめ数々の賞を受賞していると言うこの作品。
内容は一切知らず期待100%で視聴開始。

牧歌的な孤島でロバや牛を飼い生計を立てているコリン・ファレル演じるパドリック。

ブレンダン・グリーソン演じるコルムを誘うためいつものように彼の家に向かう。

仲良しだった2人だけどコルムはパドリックに絶縁を言い渡す。

ほっといてくれ、話しかけたら自分の指を切り落とすと!

悪い冗談か何かと思い、今までのように接するハッピーガイのパドリック。

すると本当にコルムは指を切り落としてパドリックの家に指を投げつけにくるのであった。

グロっ!!
なんなのこの映画!

一旦再生をストップしてプチ検索するとブラックコメディと書いてあるサイトがあった。
ブラックコメディ、、なの?!

後からわかるけど1923年のお話らしい。

2人が住んでる家も凄い。
石造りの簡素なもので時代設定もなるほどその時代なのねと納得。

対岸から戦闘の音が聞こえてくる。
昔は敵といえばイギリス人だったけど、今は同志が敵という。
なるほど。北アイルランド紛争ですね。

この映画の裏テーマは戦争であることがわかる。
コルムが溜め込んだパドリックへの不満。
感情が爆発して戦闘開始。
自分を傷つけてでも貫きたい信念。

始めは修復を試みるパドリックも流石に家族のように大切にしていたロバが亡くなるや一気にスイッチが入り抗戦に出る。

占いババーが予言した二つの死体はパドリックでもコルムでもなく、この争いに巻き込まれたドミニクとロバ。
現実の戦争と同じ、巻き込まれるのは何の罪もない普通の人なのだ。

これはブラックコメディではない。
何とも考えさせられる一本でした。
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