【火付王子とみんなの海】
原作は天水館奪還作戦あたりまでは読み、面白かった記憶があります。
映画化でもしや、妙な面白さに転んでいるかも…と少しの興味で覗いてみたら、一番期待しなかった部分が意外とよくて、ちょっと揺さぶられた。その他は再現度を気軽に楽しむ感じでまあまあでした。でもやっぱり、マンガの実写化はちゃんと考えて翻訳しないとダメだな、と思いました。
事前情報では、菅田くんの女装蔵之介にはイタさしか感じませんでした。昔のCMにあった、女装した伊藤淳史を思い出したりして。が、彼はルックスだけに留まらず、彼なりに蔵之介を自分のものにしており役者やのぉ、と感心した。
今どき絶滅種かってくらい直球に漢らしい男で、それが女装している面白さがよく出ていました。これが唯一、映画化してよかったな、と思ったところ。
オタク特有の屈折…という思い込み?が原作の前提になっているけれど、能年ちゃんにはこれが全くないので、いくらオタコスプレ(笑)で偽装しても無理あるなあ、と思った。初めから偽装の下が丸見えで、変化の面白さが出て来ない。カワイイから許す、レベルで人物まとめちゃってる気がしました。
その他の皆さんは、見た目の面白さは嵌っていて、眺める分には楽しかったです。セクスィ担当なのに片瀬那奈さん、顔が生瀬勝久になっててメチャ可笑しい。
大外しだな、と思ったのは、「~で世界が変わる瞬間を見せてやる!」と蔵之介が実行するクライマックス。
ここでいう世界って、あくまで原作マンガが作り上げた世界での話で、ある意味幻想だから、実写の世界にそのままスライドしてもまるで説得力ないんですよね。こういうところ、今後もマンガの実写化続くのだろうから、もっと考えてほしいものです。
原作にあった、関西弁インド女性登場は嬉しかったけど(笑)、サプライズでボリウッド美人出してほしかった。ディーピカーちゃんとか。…ないものねだりですけどね。
<2015.2.18記>