OASIS

ラスト・ワールドのOASISのレビュー・感想・評価

ラスト・ワールド(2013年製作の映画)
2.6
卒業を間近に控えた哲学クラスの学生20人が、世界の終末に備えて自分達の中から生き残らせたい10人を議論によって選ぶという卒業試験に挑む話。

それぞれが架空の人物になり色々な職業が与えられ、空想の終末世界と現実の教室とを行き来しながら議論する。
主人公達は全く違う人物を演じてはいるが、紙に書かれた設定以外は現実世界のものを流用しているという所に現実と空想の境目の曖昧さが見られて良かったと思う。

本当は教室で机を向かい合わせて話をしているだけだし、皆が皆同じイメージを寸分たがわず共有出来ているという点も疑問だが、脳内ビジュアルを具現化した世界で二度、三度と実験が反復されて行く様子は見た事なくて不思議な感覚。

男女のペアが居て種の保存が必要になるとすれば、生殖行為ももちろん行われるわけで、そこを妙にエロく撮っている所から感じる哲学成分の薄さが、後半になるとあからさまに染み出て来る。
そもそも先生が試験を引率してちゃダメだろうというのが初めにあるので、先生の提案次第で歩む方向はどうにでもなるというのが狡いやり方に思えた。

実験で大事な所は、人類にとって必要な誰かを選ぶという所では無くて、どうやってシェルターの中で一年間を過ごすのかという所に着目したのは良いけど、トランプやダンス・詩でそんなに間が持つとは思えないのだが...。

最後のシーンは、彼女が先生が辿る顛末を思考実験によって反復してるって事でいいのかな?よく分からなかった。

あと、レビューに大事なオチの部分の動機を書いてネタバレしてる人多過ぎ。
面白くなかったからといって全部バラしていいとは限らないでしょ。
いや、面白いとは思えなかったけども...。
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