めしいらず

ねこぢる草のめしいらずのレビュー・感想・評価

ねこぢる草(2000年製作の映画)
3.0
死神に魂を半分持って行かれてしまい抜け殻のような姉に生気を取り戻そうと奮闘する健気な弟。生と死にまつわる凶々しいイメージが脈絡なく連続して終始煙に巻かれる。イメージは作者の中で自己完結しており、本人がその中で勝手に遊んでいると言うか、一人悦に入っていると言うか、そんな所感を持った。肉食に対する嫌悪と皮肉な眼差し、排泄や生命の循環への強い関心が妙に生々しい。ラストの断ち切られた家族の団欒。断続的なオルゴールをBGMに何度もループするエンドロールのホームビデオ(?)のくだり。一人取り残されたような胸締め付けられる寂寥感。家族の愛情への猛烈な渇望が作者の根っこにあるような気がした。
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