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グリーン・インフェルノの8bitのレビュー・感想・評価

グリーン・インフェルノ(2013年製作の映画)
4.0
したまちコメディ映画祭にて観賞。
満員となった浅草公会堂、1000人超のお客さんとともに大盛り上がりでの観賞となりました。
えげつないグロシーンで満場の拍手と大爆笑が起こるなど、後にも先にもこんな体験ないだろうなー。
一生忘れられない観賞となりました。

で、映画自体はどうだったのか。
あのイーライ・ロスが敬愛する食人映画を現代に蘇らせた作品というだけあって本気度が高く、驚くほどまともな”映画”になっていました。
過去の食人映画にリスペクトを捧げつつ、現代的な要素を存分に盛り込んだグロくてブラックなコメディ。
”若者が異国で不条理な殺戮に巻き込まれる”という基本プロットやグロくもどこか笑えてしまう残酷描写はいつものイーライ・ロス印。
それに加え、ストーリー展開や人物描写、食人族のディテールなど、それぞれの要素がとても丁寧に描かれていました。
前半に時間をかけてキャラクターの人物像や関係性を掘り下げておき、それがそのまま後半の伏線となる構成は、
ほぼ同じチームで作られた前作「アフターショック」を踏襲しています。
また、主人公たちのキャラを所謂”意識高い系”にし、一方的な”正義”ふりかざすことで自己満足に酔っている輩どもを思いっきり皮肉っており、
日本でも「食人族ブルーレイ発売中止騒動」があっただけに余計に痛快に感じられました。

まともに丁寧に作られている反面、いつものキレの良さ、過激さが物足りないかなーという気がしなくもないですが、
イーライ・ロスの新たな食人映画を作るという命題に対する真摯な姿勢ゆえ、愛情ゆえなんだと思います。
単に過激さや勢いだけの監督と思われがちですが、しっかりした映画作家であることを再認識しました。
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