とれクラ

グリーン・インフェルノのとれクラのレビュー・感想・評価

グリーン・インフェルノ(2013年製作の映画)
5.0
・食事が命を奪うことで成り立ってることを思い出す、私たちは日常的に暴力的なことをしている。
・ツイッターを始めてから、ビーガン叩きという言葉があるのを知った。過剰な菜食信仰で、常識的なバランスを崩しているのを揶揄する言葉だと思う。ビーガンを選択する理由は、宗教やら、環境保護やら、殺される動物をかわいそうに思うやら、色々ある。特に、「殺される動物をかわいそうに思う」ことをもとにビーガンになった人は、ビーガン叩きに遭いやすい気がする。
・私はこの映画を見て、過剰なビーガンがタンパク質やビタミンB類不足になったりする様が、たとえどんなに非効率的で滑稽に見えても、叩けたもんじゃないと思った。「殺されるのは痛そう、かわいそう」という感覚は、共感からくる。自分の生活が崩れるレベルまで菜食に傾倒してしまう人は、食われる動物が人間と同じように痛いだろう、苦しいだろうという感覚が、私がこの映画を観て感じた恐怖に近い度合いで現れるのだろう。どんなに科学的根拠を並べてビーガンに肉を食べるように説得しても、共感やそれに伴う恐怖は、ほぼ無意識に身体にやってくる。感受性や想像力、それに伴う痛みや辛さの感覚は、人それぞれだ。肉を食べて「おいしい」という感覚も、肉を食べて一瞬で動物の屠殺まで脳が想像してしまう感覚も、決して自分以外の肉体の感覚を味わうことはできない。自分の身体感覚に近い集団を発見すると、大変安心するだろうが、ちがう集団を攻撃していい理由にはならない。過剰なビーガン生活を他者に押し付けてしまう人も、ビーガンを叩いてしまう人も、
・料理のシーンが、完全に異国情緒系番組の料理シーンのそれだった。現地の人が現地のやり方で、丁寧に、老人から子どもへ受け継いでやる。料理の手順が歌にさえなっている。
・ある漫画で、動物を狩って殺して食べるシーンがあり、他の命を奪って自分の命を成り立たせることに信仰心を抱いていた。この映画でも、現地人の言葉の意味はほとんどわからないが、ついた人々に対して「恵みだ」という字幕が入っていた。食べ物に対する信仰は、自分の暴力性の隠蔽、肯定の意味合いも含むのかな。
・吹き替えっぽい吹き替えが聞けた
・太ってる子が殺されるところこわいからとばした
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