やっぱり増村が気になってしまって。
大映映画株式会社制作
【両性具有も気合いで】
とんでもない作品です。戦争を背景に獣に変わった緒形拳が強烈としか言いようがない役どころで、陸上のコーチをします。ヒモだった彼は電気会社の雇われコーチになり、ある女に目をつける。
戦争を背景にしているという意味では昨夜見た「妻は告白する」の彩子の出自も戦争と関係しているので、やはり時代相応というところ。それかまたは、増村映画は根にそういうものを抱えているのかもしれない。
この作品も恐るべくテンポが良いです。猛々しい2人のやり取りのままに突き進んでいきます。ある意味ではこれ以上ないスポ根ものでもあります。スポ根エンタメ作品を作る人たちもこの映画を見習ってほしいです。何でエンタメ作品って二時間越えが定説なんだろ?
半陰陽という言葉は聞き慣れませんが、「ふたなり」ならわかります。でもその人が経験する行為によって性別を意のままにするコーチは流石に、ありえさすぎる笑
今日的基準に照らしても照らさなくても、道徳的にぶっ飛んでいる緒形拳の台詞は初めは何度か笑ってしまいましたが、次第にこの物語が秘めるマジ加減に溺れていきます。
道徳的にどうとか、そういうこともなく、とにかく突き抜けている人物が突き進んでいくことでストーリーテリングをしている、そういう感じを増村映画に感じています。
面白いのかどうかはわからないが、とにかく非凡な作品だった、ということでこの評価。