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劇場版 零 ゼロのkanacoのレビュー・感想・評価

劇場版 零 ゼロ(2014年製作の映画)
2.9
ホラーゲームと同タイトルだが原案としているのみで、ほぼ別物。オリジナル設定及びストーリーで構成されている。女子特有の親密さがホラーらしい雰囲気を引っ張っていくタイプで、清楚系の女子高×百合×ホラーミステリーの掛け合わせに魅かれる人向けかなと思った。個人的には可もなく不可もなし。(140字)

****以下ネタバレあり&乱雑文****

★辛口につき、好きな方はご注意ください。★


ゲームシリーズのZERO、紅い蝶、刺青の聲はプレイ済。月蝕の仮面は途中で挫折。ZEROは初めてプレイしたホラーゲームなのでかなり思い入れが深い。ゲーム零の実写映画化ということで、けっこう不安な気持ちになって避けていたが挑戦。結果。「ええっ。これは‥‥何が零なの?」と疑問視。零ってなんだっけ、何が成立すれば零なのか…というのを考えこんでしまった。個人的なまとめとしては、

・田舎や島など閉鎖された地域で、人身御供を必要とする民間宗教の儀式が行われており、それが失敗して災厄が起きる。
・豊富な幽霊が登場し、彼らを写し封印することができる射影機を使うことで対抗ができる。
・話の進行は民俗学的な調査を基本とし、手がかりを集めていくことで儀式と呪いの全体像と真実が見えてくる。
・儀式の犠牲となった人間の愛により呪いと災厄は生まれ、反対に呪解、開放もされる

…とすると、この映画は全く別物。調べたら、ゲーム零を原案にした小説を、さらに原案として映画だそうで…これだけ内容が違うなら、普通にオリジナル作品を描くか、インスピレーションを受けたのみの公表に止めておいて、そんな零の実写化みたいな宣伝したり、タイトルをわざわざ零の名前にしたりしなければ、余計な先入観を持って見たりしないのに…。当時、タイトルや、「ホラーゲームの~」みたいな宣伝を見ていたから、同じ雰囲気の映画を作ったと思い込んでいたが、注意深く予告や宣伝を見ていたら、違うものだと気が付いたのだろうか🤔

百合的要素も、写真にまつわる怪異(ただしカメラは零のシンボル)も、学園の都市伝説も零だけの特権設定ではないし、申し訳程度に入れこまれた、無くても困らない射影機のシーンを消してしまって、この映画を見た場合、誰もこれが「零じゃん」って気がつかないと思うのだが。どうだろう。

あと、百合要素強いけど、そもそもゲームで百合要素が強いのは「紅い蝶」だけだと思っているので零の代名詞ではないと思っているが…。未プレイの濡鴉ノ巫女が百合系だったのだろうか?

題名が原作のままだったり、宣伝で大々的に原作を打ち出していたりするくせに、重要な人物なのに名前だけ借りた大幅なキャラ変があったり、結末だけでなく(原作のアナザーストーリーの域を超えた)全体的に話や雰囲気を変えるような作品があるけど、それって、ほぼほぼオリジナルなのだから、なんかもう少し、正確かつ大々的に情報提供して欲しいなぁと思うことが、けっこう常。それで損するの、どちらもだと思う。

なお、完全オリジナルホラーとみたら、可もなく不可もなし。女子特有の親密さでホラーの雰囲気を引っ張っていくタイプで、女子高×百合×ホラーミステリーの欠け合わせに魅かれる人には、(オススメまではいかないが)お試ししてみても良いのではないかと思う。女優さんのファンの方もよいかも。
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