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ダンボのkanaco4月末までお休み中のレビュー・感想・評価

ダンボ(2019年製作の映画)
3.7
大きな耳を持った赤ちゃんゾウ・ダンボが活躍するディズニーアニメ映画『ダンボ』をティム・バートン監督がサーカス団員を主人公にして実写化。オリジナル版を前半の40分程度に収め、その後の展開をも描いていく加筆要素がかなり多い印象。主役はあくまで〈サーカス団員〉であることがポイントかも🤔✨(140文字)

****以下ネタバレあり&乱雑文****

★オリジナル版及び本作の登場キャラクター、ストーリーなどについて明確なネタバレ記述があります。未鑑賞の方はご注意ください。

◆あらすじ◆
1919年。第一次世界大戦やスペイン風邪の影響によりメディチ・ブラザーズ・サーカスの経営は傾いていた。状況を打破するため団長のメディチは妊娠しているゾウを1頭購入。第一次世界大戦で左腕を失った元花形団員ホルトはサーカスへ帰還したが、団長からそのゾウの世話係を命じられる。仕事内容に納得がいかないホルトをよそに、メスのゾウ・ジャンボは子供を産んだ。しかし生まれた赤ちゃんは他のゾウと違ってとても大きな耳を持っており、その容姿から人々を失望させ「ダンボ」とあだ名をつけられてピエロにされてしまう。ホルトの娘ミリーと息子ジョーはダンボを気遣い、やがてダンボがその大きな耳を使って空を飛べることに気がつく。ダンボの飛翔をショーで披露したことでサーカス団の状況は好転。この話を聞きつけた有名興行師に誘われ、サーカス団はニューヨークで経営する大人気の巨大娯楽施設ドリームランドへと雇われことになったのだ。ところが…。

❶ディズニー映画『ダンボ』をティム・バートンがサーカス団員側を主人公にして実写化

大きな耳をもって生まれた赤ちゃんゾウ・ダンボを主人公としたディズニーアニメ映画『ダンボ』をティム・バートン監督が実写映画化。ただし『ダンボ』の実写映画化と言えど、他のディズニー実写化のように主人公やストーリーの本筋はそのままに改変を加える…というレベルではなく、アニメ版〈ダンボ〉の物語を前半の40分程度に収め、その後の展開をも描いていくというオリジナル要素がかなり多い作品でした。

人気が低迷していたメディチ・ブラザーズ・サーカスが現状打破のために買ったメスのゾウ・ジャンボが子供を産みますが、生まれてきた赤ちゃんゾウ〈あだ名をダンボ〉は耳がとても大きく他のゾウと容姿が大きく違っていました。母子ゾウの世話をするのは、第一次世界大戦にて片腕を失ってサーカス団へ戻ってきた男ホルトです。かつて花形スターだったホルトは腕を失った自分の見た目やゾウの世話係という仕事に劣等感や疎外感を感じていました。一方、ホルトの娘ミリーと息子ジョーはダンボを気遣ってダンボと仲良しになり、やがてダンボの大きな耳は空を飛ぶための翼になりえることを発見します。飛行するダンボの活躍によりメディチ・ブラザーズ・サーカスは評判に!

ここまでが40分ほど。オリジナルアニメ版のクライマックスは(一部を除いて)ここまでに描ききります。そしてここからダンボによって評判になったサーカス団が有名興行師に誘われて大人気の巨大娯楽施設『ドリームランド』の陣営に加わるという物語がスタート。人々に夢とスリルと娯楽を与える大人気の有名施設『ドリームランド』!

…しかしその実態は…🤔💭

最初のシーンは『ダンボ』らしくまずは〈ケイシー・ジュニア〉から。オリジナル版を思い出すようなちょっとオモチャ感のあるデザインや演出、サーカスの非現実性などワクワクさせるような世界観が良い感じでした。本作は動物が喋らない=歌わないのですが、有名な楽曲『かわいい坊や』『ケイシー・ジュニア』『ピンク・エレファンツ・オン・パレード』は時に大胆にアレンジを加えて本作でも流れます。特に『ピンク・エレファンツ・オン・パレード』の演出は短めではありましたが良かったです😆🎶

❷主役はあくまで〈サーカス団員〉であることがポイントかも🤔

本作が『ダンボ』の実写化…と言う宣伝だったかは忘れましたが、確かにそうでありつつも〈ダンボ〉ではなくあくまで〈サーカス団員〉が主人公の作品です。つまりは『ゴジラ-1.0』が〈ゴジラ〉といえども戦争のPTSDを抱える特攻隊員の物語であったように、『JOKER』が〈アメコミ〉といえどもの精神病を患い社会から孤立した男の物語であったように、本作は〈ダンボ〉といえどもフリークスと言えるサーカス団…特に世話係となったホルトとその娘・息子が主軸であり、彼らの視点でオリジナル及びオリジナル以降の物語を描いていきます。

動物視点ゆえに動物たちがお喋りをして歌ったオリジナル版と違い、本作は鳴きはすれど一切しゃべりません。ファンタジーな動きはダンボの飛行のみ。一応、ダンボの友達のサーカスのネズミ団員ティモシーは姿を見せますがファンサービス的なチラ見せでお話に関与はゼロ。ティモシーの役目は子供たちが担います。〈ダンボ〉と〈サーカス団員〉の共通点はいわゆる〈フリークス〉とされていることと、そこに劣等感や疎外感、孤独感を感じていること。そんなサーカス団員はダンボや子供たちから、ダンボの大きな耳が実は〈不幸〉などではなく〈素晴らしい才能と個性〉であることを教えられて変わっていきます。

ティム・バートン作品の中ではあまり評判が良くないらしい本作ではありますが、私はいつもより見やすく感じましたし、ダンボを通した人間ドラマも完全懲悪でスッキリしますし、CGダンボも思っていたよりは可愛くて、楽しく鑑賞できました🤗

ただし、オリジナル版のダンボの物語や世界観の忠実な実写を求めて鑑賞される方は、もしかしたら面を食らうかもしれません🤔

🐘🐝「あんまり良くはないと思うのですが、私は本作を見る前に(ネットニュースでみたのでどこまで正確なのか真偽は全く知りませんが)「ティム・バートンは本作でディズニーと決別した」という情報を事前に耳に入れていたので、そんな情報を頭の片隅に残したまま本作を見ていると‥‥なかなか後半は笑ってしまいました🤣まぁ、どんなテーマパークに限らずこの映画のように描かれた精神であればダメですし、実際は全然関係ないかもですが、その視点だとなかなか激しめ!🤣🤣」