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ジャンポール・ゴルチエのファッション狂騒劇のkanacoのレビュー・感想・評価

3.5
フランス生まれの世界的ファッションデザイナー:ゴルチエの自叙伝を、200着を超える衣装と洋楽、ダンスで魅せて描くファッションショー×ミュージカル『ファッション・フリーク・ショー』…の制作裏側に密着したドキュメンタリー。完璧主義者のゴルチエが描く〈彼の想像の世界〉を再現する挑戦は大変😱💦(140文字)

****以下ネタバレあり&乱雑文****

◆あらすじ◆
ファッションデザイナーであるジャンポール・ゴルチエの自叙伝を描いたミュージカル『ファッション・フリーク・ショー』。そのロンドン公演が開幕するまでの数か月を追ったドキュメンタリー。

❶ゴルチエの『ファッション・フリーク・ショー』に迫るドキュメンタリー

2023年6月くらいに渋谷ヒカリエで上演されたジャンポール・ゴルチエのランウェイ・ミュージカル『ファッション・フリーク・ショー』を見に行きました。見に行くまでにU-nextで鑑賞できるゴルチエが衣装を担当した映画をマラソンもしたりして(#kanacoとジャンポール・ゴルチエさん)、準備万端(?)で劇場に行きとても楽しかったミュージカル。U-nextにその『ファッション・フリーク・ショー』の開幕までを追ったドキュメンタリーが配信されたので鑑賞!

★『ファッション・フリーク・ショー』とは…
フランス生まれの世界的ファッションデザイナーであるジャンポール・ゴルチエの自叙伝を、ゴルチエがデザインした豪華絢爛な200着を超えるファッションと洋楽、ダンスで魅せていく〈ファッションショー×ミュージカル〉という組み合わせで演出。企画・脚本・演出もゴルチエが担当。ゴルチエが発信する「“違う”ことは、美しい」というテーマを押し出すジェンダーレスで華やかな舞台です。

東京公演でも、ジェンダーレスかつ人間を開放するような奇抜で迫力あるファッションの数々と、その主張の強いデザインすら着こなしてカッコ良く踊るダンサーさんたちが素晴らしかったです。知っている洋楽もガンガン流れて、ミュージカルなのにランウェイもたくさん見ることができ、予習した映画にゆかりのある人も映像出演したりと、かなりバラエティーに富んだ演出でした😄✨

私は2階席の一列目での鑑賞だったのですが、その席よりチケットの値段が格段に上がる1階席の前方エリアだと、客席までモデルさんがランウェイしたり、ダンサーさんが席まで接近してパフォーマンスしたり、一部のお客さんは歌手の方に手の甲にキスをもらっていたなど、その演者とお客の近さにもビックリ!羨ましいと思いつつ、舞台に立つカッコ良すぎるダンサーさんが寄ってくるだけならまだしも、手の甲にキスなんかされたら固まってその日ミュージカルの内容なんて全部忘れてしまうなぁ😂

❷完璧主義者であるゴルチエが描く〈彼の想像の世界〉を再現するために…

『ファッション・フリーク・ショー』の裏側に密着したドキュメンタリーである本作。本番の数か月から当日までの時間軸を追って、このミュージカルがどのように制作されたのか、どのような人たちが携わったのかを96分でテンポよく描きていきます。またインタビュー形式ではなく、ゴルチエ自身が持論、経験、思想、制作秘話をナレーションとして語りまくります。

「フリークとは怪物のことだが、特に他とは違う人を指している」
「程度の差こそあれ、(人間は)誰しも特殊な部分がある」
「他人から見れば僕たちは皆フリークだ。違いがあると人々は怖がるからね」

〈違いとは特別であるということ〉というメッセージと共に、映画、ダンス、演劇の要素もあって、映像投影もする…様々な演出によって出来上がった〈ゴルチエの人生とファッションが次々と現れる〉ショー。

ドキュメンタリーを見ている限りではその制作過程はかなりハードモード。ブ、ブラックだ…と思ってしまいました😅完璧主義者であるゴルチエが描く彼の想像の世界を再現するために、一筋縄ではいかない問題に対してさまざまなプロが挑みます。

たとえば、ダンサーひとつをとっても、ダンスだけでなく、フリークにもなれてモデルもできるそんな人でなければなりません。ファッションショーなので制限がかかるのはファッションではなくダンスの方。あくまで服が主役であるために可動域の狭い衣装で完璧にダンスをこなさなければいけません。しかもゴルチエの要求や目指すところはどんどん変わっていく。

本当に大変🥺
ドキュメンタリーを見ていて度々「ひぇー😱」ってなりました。

❸ちなみにゴルチエが衣装を担当している作品で私が見た映画は5本。

★リュック・ベッソン『フィフス・エレメント』
★ピーター・グリーナウェイ『コックと泥棒、その妻と愛人』
★ペドロ・アルモドバル『キカ』
★ジャン=ピエール・ジュネ『ロスト・チルドレン』
★ペドロ・アルモドバル『バッド・エデュケーション』

その中で一番衣装が好みだったのは『コックと泥棒、その妻と愛人』。時点が『キカ』でした。映画としても私はその2つが面白かったかな。ただクセが強すぎて人を選びそうなので、両手を挙げてのオススメとは言い切れませんが…🙄💦

そして見た瞬間に「🙄!?」となったブッ飛び衣装は
①『キカ』のちょうど胸の部分だけ弾けるように破れて露出しているブラックドレス
②『バッド・エデュケーション』の〈女性の全裸〉デザインのロングドレス
③『フィフス・エレメント』の女版T.M.Revolution

特に①と②は初見時は何事かと思いました🤣

👗💕🐝「本作を見てミュージカルを懐かしく感じ、もういちどあの圧巻のショーを見たくなっちゃいました🤭次はいつ日本にくるかは不明ですが楽しく刺激的なミュージカルなのでオススメです~!」
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