このレビューはネタバレを含みます
なんとも大人向けの映画だなぁ。
かつて脚光を浴びるきっかけとなった舞台に、その奇妙で冷徹で奔放なかつて演じた役ではなく、その彼女に恋をしながら弄ばれる方の助演での出演を依頼される今や成熟した女優となった主人公マリアのお話。
彼女の若い個人秘書ヴァレンティーヌとの関係は恋愛ではないけれど、その件の劇での2人の様子と重ね合わせるような行き違いなんかがあって、2人の間の価値観や考え方、立場の違いで別の道を歩む事になる。
不真面目にふらふらとしてきた自分には考えられない、お互い真面目に演技や演劇と向き合っているなあって。
”んん……ですね!”で済ませられないだけ、ヴァレンティーヌにも確立された個があって、でも風か幻かってくらいス~ッと消えていく。不思議。
対して、クロエ・グレース・モレッツの不倫だかなんだかのターンはまぁどうでも良いっちゃどうでも良い。
物語的には意味があるんだけど、もっと別のやり方なかったかな~と思っていた。
映画として面白かったか?と考えると いや特には…ってなるんだけど、観て損をしたとも思わない。
けれど、感想は…となると、上手い言葉が出てこないんだよな~、大人だなー っていう…。
あ、舞台の演目名にもなっている”マローヤの蛇”という渓谷の間を流れる雲だか霧だかは本当に美しかった。それだけはすごく素晴らしい。
ただ2時間は長いよね…それは間違いないと思う…。