よーすけカサブランカス

ホームズマン/ミッション・ワイルドのよーすけカサブランカスのレビュー・感想・評価

4.0
これまで西部劇が隠してきた女性の苦難を映し出す作品は最近になって増えたきたし女性が銃を取ることも少なくない。この作品もそうしたフェミニズムインザウェストな予感を漂わせて始まるのだがメアリーにはその役目を背負いきれなかった。精神を病んでしまったがために家庭からも街からも腫れ物となってしまった三人に同じ女としての同情もあってホームズマンを務めるが、そのときメアリーには男のガンマンのような強さが必要とされる。のだが冒頭ですでに示されているように、彼女の目指すゴールは妻になることで、この時代における女性の解放とは逆のベクトルであり、フェミニストではない。そして西部の暴力と女たちの悲鳴にあてられてしまう。その弱さを彼女は恥じたのだろう。最後のブリックスの艀での踊りと捨てられる墓石は、彼女の葛藤それに寄り添うことへの諦め、男たちのある種の弱さの表れだろう。