もげ

マルケータ・ラザロヴァーのもげのネタバレレビュー・内容・結末

マルケータ・ラザロヴァー(1967年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

映像と歌声、壮麗な音楽が素晴らしい。白黒とは思えない美しさ。
とはいえミュージカルやオペラ映画ではなく、普通にセリフもある映画。
かなり昔で、どこか外国で、王様がいて貴族がいて~とはいえ、貴族といっても通りすがりを襲って荷物や馬を強奪するから、強盗と変わらない、法律もクソくらえ、力こそが正義!みたいな蛮族の話ですな。

巻き込まれたマルケータさんがひたすらに哀れ。とくに親父は酷い。
娘に修道女になれと言ったり、やっぱり子供を産むべきと言ったり。どっちなんだよ。
そして、あれだけ娘を可愛がっていたわりには、自分の命の代わりに差し出してしまう。
身勝手なクソ親父が扉に張りつけになったときは、ざまぁと思ってしまったが、あの体重では手で支え切れないだろうな。

狼とか馬とか鷲とか羊とかやぎとか、とにかく動物が可愛い。
悲惨なストーリーのなか、心の癒し的存在だった。
前半はマルケータさんが攫われるまで、わりに平板なストーリーに思えたが、後半の王の軍隊VS領主の戦いはなかなか良かった。銃のない時代、弓が無双すぎる。雨あられと降り注ぐ矢が怖すぎた。

最後、結婚のシーンは良かった。死刑の前に結婚させてあげるとか温情だよね。史上最速の未亡人だが、マルケータさんはその後も強く生きていくようで、エピローグに安心した。
説明少なすぎて、黒髪の女性がなぜ恋人を殺したのか(見間違え?)よく分からなかったが、まぁよし。

動物たくさん出るから、撮影とか経費とか大変だったろうなと思ってしまった。
個人的には、一幕でマルケータの父が強盗相手に祈っている間、馬が帽子をガスガス突くところが好き(よくカットされなかったな)
もげ

もげ