ごまだんご

マルケータ・ラザロヴァーのごまだんごのレビュー・感想・評価

マルケータ・ラザロヴァー(1967年製作の映画)
4.7
途方もないスケールで描かれる伝説的な作品。王権、部族間の争いに巻き込まれた少女マルケータの壮絶な運命を描いた大傑作フィルム=オペラ。難解といわれるストーリーも、各陣営の関係性を理解すれば案外分かりやすい。様々な登場人物の視点から“残虐性”と“愛情”を描いている。全編にわたり鳴り響くオペラが非常に印象的。悲愴感の漂う世界の薄幸な人々を映しているのにも拘らず、神話を見ているかのような神々しい雰囲気を感じた。マルケータの目、髪がとても印象的。全てを見抜いているかのようなまなざしと、印象的に撮られる流れるような美しい髪。その麗しさが脳裏に焼き付いて離れない。
当時と同じ素材・方法で作成したという衣装やセットは信憑性のある世界を作り上げていた。作り物とはとても思えない。間違いなく、私は166分間ボヘミア王国の中にいた。
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