レイトショー
エピソードやキャラの取捨選択とシーンの描写は明確に、平成の『まんが道』として揺るぎない完成度。執筆中のビジュアルとエンドクレジットに才気を見せつける。「少年ジャンプ」ならぬ東宝というメジャーで勝負するとはこういうことか。男の役者陣がみんないい。
友情・努力・勝利をせせら笑うモーツァルト・染谷将太に挑む佐藤健・神木隆之介らサリエリたちの物語という根幹はこそばゆいが、一方で「漫画家残酷物語」的な影の部分も描いていて、単なるジャンプ礼讃ではない気骨を感じた。サカナクションの繊細なサウンド・トラックがよい。