まぴお

バクマン。のまぴおのレビュー・感想・評価

バクマン。(2015年製作の映画)
3.6
【昭和の匂い。そして努力、友情、勝利】

大場つぐみと小畑健のコンビ。
「デスノート」と「バクマン。」
共通するのは「王道」でないということ。
エンターテイメントとして様々なジャンルの漫画や映画や小説が出てくる中で
俗にいう「邪道」でも成功できるといった例を作り出した人たちの貢献は大きい。

それは編集長の言葉の「面白ければいい」という言葉からもある通り
成功のセオリーなんてものは1つでないことを伺える。
その時代に合わせた作品であればそれは成功することができる。

逆いえば過去の「王道」といえる作品があったからこそ「邪道」が活きてくるわけで
「邪道」とは謳ってますが「王道」の作品のオマージュも色んな所に散りばめられています。
だから漫画好きであればあるほどニヤリとできる内容であると感じる。
またオープニングやエンドロールのつかみ。このアイデアは昔からのジャンプ世代には本当に嬉しい試みだと思う。

ただやはり難点もある。
佐藤健が高校生に見えない所。
高校行きながらアシなしで週刊連載?ふざけるな。
編集者は絶対こんなことさせません。
小松菜奈の演技が下手。これで声優めざす設定はないだろ。
新妻エイジがただの嫌なやつにしか見えない。
主人公二人と新妻エイジがアンケート1位と2位を争うがこの世界には
「ワンピース」や「NARUTO」はないのか。
そして漫画家がペン入れをしているシーンで全体が見えてるシーンとペン先だけが見えるシーンではペンの握り方が違う所。
これはペン先がアップのシーンではリアルに絵を描いてる人の手先を差し替えているのだろうから必然的に握り方が違うのだろうけどここはこだわって欲しかった。

あと良いと感じたのは映像と音楽の妙。

プロジェクションマッピングとサブカル的なサカナクションの楽曲のマッチングセンス。
サカナクションって主題歌以外の音楽もてがけるんですね。

とにかく原作ふくめて漫画編集者の裏側など知れて楽しいのではないでしょうか。
ここに名前がでてくる担当さんや過去ジャンプで連載していた漫画家さんと飲んだりする機会があるのですがやはりここでは出すことができない裏話を聞くと楽しいですよ。

バクマン。に限らず漫画家の内情を描いた漫画は本当に面白いので是非みてほしい。
「まんが道」はもちろん最近人気の「重版出来!」そして「アオイホノオ」「G戦場ヘヴンズドア」「ブラック・ジャック創作秘話〜手塚治虫の仕事場から〜」「コミックマスターJ」あたりはかなり激熱な漫画なのでオススメしておきます。

でもやはり漫画家業って博打であり最大のブラック業だよね。
これだけ血反吐を吐いて仕事して売れるとは限らないんだから。
まさしく命削って仕事してるわけだよね。残業200時間やって打ち切りとか
目も当てられないよね。しかも全部自分の責任。
漫画家目指してる人はまさしく血反吐を吐く覚悟を持って挑みましょう。

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