垂直落下式サミング

ターミネーター:新起動/ジェニシスの垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

3.5
ジェネシスこそが正統な続編(笑)
人類抵抗軍のカイル・リースは、機械軍が1984年に送り込んだターミネーターの後を追い、自身も過去へと向かう。しかし、たどり着いた世界は、既にカイルの知る過去とは別のタイムラインの途にあった。窮地に追い込まれた彼のもとに、屈強な女戦士サラ・コナーとシュワちゃんがあらわれる。
ワシがこの娘の保護者じゃと、出てくるシュワおじちゃん。めちゃめちゃ普通のおじさんになっちゃったターミネーター。機械なのに人間の部分は老けるらしい。なんで?ちょっと、もう解釈違いなんだけど…。2とか3とかでは、ジョンとのあいだにどんだけ友情が芽生えたかのようにみえても、ロボにほんとうの心はないってラインを守ってた。だからよかったのに…。
てか、サラ・コナーって、こんなに可愛かったけか。タイムマシンは裸で行かなきゃだから、スッポンポンで抱き合っちゃう。これで、お互いに意識しちゃうんだけど、未来は変わったんだったら、救世主を産むためのセックスなんてしなくていいじゃん。せっかく運命は不確定になったんだから、彼らを自由にさせてあげればいいのに、最後にはくっつきますって匂わせるんだよな。やめな、下世話だから。
サラの育ての親のターミネーターおじさんのことを信じられないカイルは、事あるごとにアイツは敵の機械だから俺が君を守ると張り合うけれど、自分の恩人であるジョン・コナーには最初から激甘味方判定だったのイラっときた。ニンゲンそういうもんかもしれないけどさ。
シリーズイッキ観すると、演じる役者がコロコロ変わりすぎていておもしろい。特にジョン・コナー。2ではあんな美少年だったのが、3ではうだつのあがらない青年になって、いよいよ戦争だから凛としたクリスチャン・ベールになったかと思ったら、へらへらナノマシン野郎になる。T-1000よりも変幻自在。
設定をどんなにこねまわそうとも、また未来からアイツらが来た時点で前作の努力は無に帰したことが確定してしまうのだから、第1作目のラストのその先は作りようがないハズなのだけど、2がストーリーの歪さをはらみながらもエンターテイメントとして出来すぎていたために、不毛な続編が作られ続けてしまう。アベンジャーズをディスる前に、キャメロンは自身の産み出した功罪を自覚した方がいい。