【まとまりの良い小佳品】
英国の映画ですけど、17世紀のフランスが舞台。
ヴェルサイユ宮殿に庭園を造るために、女性の庭師が活躍するというお話。
ちなみにそれ以前は現在は美術館になっているルーヴルが宮殿だったので、新たにヴェルサイユに宮殿が作られたために庭園も新しく造らなければならなかったのですね。
言うまでもなく17世紀のヨーロッパは男性社会ですから、女庭師というのはフィクションです。
つまり、現代風のキャリアウーマン物語を、17世紀フランスの宮廷社会でやってみたらどうなるか、という映画なんですね。
そのように、フィクションだということを念頭において見れば、悪くない出来です。
彼女を引き立てて補佐してくれる男性庭師(彼の奥さんがいわばアンチ・ヒロインとしてそれなりの存在)、意外にさばけている国王ルイ14世(いわゆる太陽王)。
王様の愛人として有名だったモンテスパン侯爵夫人も登場し、当時の宮廷の様子もなかなか興味深い。
貴族社会・男社会の中でしっかりと生きていくヒロインに感情移入がしやすいように作られています。まとまりのよい小佳品と言えるでしょう。