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裁かれるは善人のみのogのネタバレレビュー・内容・結末

裁かれるは善人のみ(2014年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

無情すぎる…………が、本人の気質に起因して転落していく部分もあるからなんとも言えないなぁ。
あれほど固執して市に対して裁判まで起こした家や土地を、弁護士である長年の友人と妻の不倫騒動であっさり手放してしまうの、心がポッキリ折れてしまった感じがした。家を守ることが家族を守ることだと思い込んでたんだろうなぁ。リリアはずっと街を離れたいと言ってたし、裁判も別に望んでいなくて、コーリャが勝手にやり始めたことなんだろうな。
ということで、夫婦は長らく前からすれ違ったままでいて、話し合う機会もない。結局は映画で描かれるよりも随分前の段階に崩壊の発端があったように見えた。
あれほど守りたかった家がボルボのショベルカーであっさり潰されていく光景、日常の風景が残ったまま無情に壊されていくから、なんだかひどく虚しくなった。
その他の景色も暖かみがなくて常に冷え冷えとしていて、見たことのない寂しい雰囲気だったな。

祈りを捧げるものが救われる構図になってるんだけど、神とは一体なんなのか?救いとは?と考える。神とは真実であると神父が語る言葉と現実の乖離。欲でぶくぶくに太った権力者に力や金が集まり、弱者が捻り潰される社会構造。市長は敬虔な様子で神父の言葉を聞きながら、小さな子供に「神は全て見てるんだ」と言って聞かせ、祈りを捧げながら悪事を働き続ける。その祈りって一体何なんだろう。
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