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Mommy/マミーのdaiyuukiのレビュー・感想・評価

Mommy/マミー(2014年製作の映画)
5.0
とある世界のカナダでは、2015年の連邦選挙で新政権が成立。
2ヶ月後、内閣はS18法案を可決する。
公共医療政策の改正が目的である。
中でも特に議論を呼んだのは、S-14法案だった。発達障がい児の親が、経済的困窮や、身体的、精神的な危機に陥った場合は、法的手続きを経ずに養育を放棄し、施設に入院させる権利を保障したスキャンダラスな法律である。
ダイアン・デュプレの運命は、この法律により、大きく左右されることになる。
多動性障害を患うスティーブとダイアンの愛憎半ばの親子関係を、障害がある息子を理解しようとしてもどうしても限界を越えると苛立ちが先に立ってしまう難しさ、手加減なく言い合っていても強い絆で結ばれている母子の愛憎関係、お気に入りの曲に合わせてダイアンとスティーブが踊るシーン、死んでしまった父親を忘れられないスティーブの心の傷、キャラクターの心情を適格に表現する「Wonder Wall」などの挿入歌の素晴らしさ、スティーブが訴えられた裁判をきっかけにした母子の試練、ヒリヒリするような母子の愛憎関係を描いた傑作映画です。ラストでダイアンの決意が引き起こしたのが、希望なのか絶望だったのかは、ぜひ見て確かめてください。
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